ポジティブの視点から 詩やエッセー、日記などを綴ります。
阿部治平氏「このままだと次も負けるぞ共産党」(2019年6月3日,サイト・ちきゅう座)を拝読した。この中で阿部氏は無党派層を取り込もうとしない共産党の行く末を心配しておられる。
難しい数字はよく分からないが当選議員数が減っている。それにもかかわらず敗北を認めない総括には賛成しかねる。志位委員長が当選するかしないかはどうでもいいが,共産党議員の活躍には敬意を表する。
しかし選挙戦術には大いに疑問がある。大阪での宮本氏立候補の意味が分からない。無所属で落選。初めから負けると分かっている選挙。裏では他の野党と手を握っているそうだが,小生のような第三者にはよく分からない。
野党の地方議員が与党議員に負けた原因を分析したのが「れいわ新選組」を立ち上げた山本太郎氏である。要するに浮動票を獲得するための経済政策が野党や共産党にないのである。したがって目玉となる経済政策を持ち合わせていないので,野党統一候補でも国政選挙でも負けるだろうというのが太郎氏の分析である。おそらく阿部氏のお考えもそうなのであろう。
1989年の消費税導入から,小生は消費税が悪税だと考えてきた。統計的根拠はなかったが,それまで所得税や固定資産税等をきちんと払ってきた以上,なぜそれ以上払う必要があるのかという考えからである。星霜30年。消費税分の8割5分が法人税減税や富裕層減税に使われたことを統計を利用して明らかにしたのは,太郎氏や政治経済学者植草一秀教授である。
学校で習ったことは卒業した後の人生に全く役に立たないといわれていたが,ここで初めて役に立った。うろ覚えであるが高校数Ⅲで大数・少数の法則あるいは標準偏差や分散などを習った覚えがある。その後,故・加藤周一の案内でD.ハフの『統計で嘘をつく法』(講談社ブルーバックス)を読んだことがある。これは難しかった。しかしこれまでの統計学習経験が厚労省の統計改ざんなどの操作を理解するのに大いに役立ったと思う。またある官僚が統計学をよく理解して答弁していないかも分かった。
話を戻すと,共産党の選挙分析内容が良く分からないが,「党勢衰退」である。単純に言えば,議員数が減ったのだから党勢衰退である。したがって参院選挙でも衆参同日選挙でも目玉らしい公約がない限り自公に負けることは確実だろう。共産党は,太郎氏の「れいわ新選組」の『8つの緊急政策』に学ぶ必要があるのではなかろうか。
経済公約で自公より浮動層に訴える力のある公約を掲げる必要があると,他の場所(ブログ)で述べたことがある。しかし共産党は他党より景気のいい話を公約にしていない。また国会で与党大臣等をギュウギュウ問い詰めても浮動票にはほとんど影響しない。共産党支持者をさらに団結させるに過ぎない。
小生は自民・共産党支持者でもないが消費増税反対しか言わない共産党には失望し,阿部氏の意見に賛成する。
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